【問題となった行為①】
第一審では、はぐくみプラス社によるイベントでの発言について信用毀損行為は認められず、当社としてはこの判断に異議があったため、知的財産高等裁判所に控訴いたしました。
この結果、第二審では信用毀損行為が認められるとともに、損害額が第一審の約3倍の金額である68,900,853円と認定され、当社は、はぐくみプラス社から遅延損害金含む合計金82,262,000円の支払いを受けました。
当社は今後も、合理的ではないと考える判決に対して、納得できるまで争う姿勢で取り組んでまいります。
【問題となった行為①・②】
本件では、アフィリエーターの行為についても、広告主であるはぐくみプラス社の行為として認められたことにも意味がある判決となりました。なお、当社は、本件ではアフィリエーターに対して不正競争防止法違反を主張しませんでしたが、
目元用アイクリーム事件では、広告主だけではなく、広告代理店に対しても当社への信用毀損行為を主張し、結果として広告代理店にも不正競争行為及び当社への不法行為が認められました。
当社では、広告代理店やアフィリエーターに対しても、事案に応じて責任を問うべきか否かを検討し、厳しく対応していく所存です。
【損害額】
「損害額」は、損害を受けた側(原告側)が証拠に基づき、権利侵害行為と損害額の因果関係を「証明」しなければならず、その因果関係の証明は、難易度が高いため、損害賠償請求が認められない、または、認められたとしてもその金額が高額となることは多くありませんでした。
本件は、原告(控訴人)が「不正競争防止法5条2項」に基づく主張をしたところ、これが認められ、はぐくみプラス社の違法表示による損害額の算定が、「不正競争防止法5条2項」に基づき算定されることとなりました。「不正競争防止法5条2項」による損害額の算定方式は、損害を与えた側(被告側)の「利益の全額」を損害額と推定し、そこから被告側が「侵害者(被告側)による侵害行為と無関係な利益部分」を証明し、損害額を覆滅していくというものです。これは被告側の利益の全てが損害額であるという前提に立つため、被告は証明に失敗すると、被告の利益の大半を原告に支払わなければならないということになります。
本事件のように違法な表示行為等を行った場合には、高額な損害賠償命令が下りる可能性があります。